“不動産取引活性化が財政再建の切り札?”

7月2日、国税庁から本年1月1日時点の路線価が公表されました。
路線価は、相続税や贈与税の算定基準となるもので、借地と底地の割合基準も示されています。
市街地の道路に面した土地の取引事例等を参考に出される権威あるものです。以前は、土地取引において実勢価格の基準として広く利用されていました。しかし、最近の土地取引においては、路線価はあまり参考にならないことも多くなってきました。
例えば、街道沿いの20~50坪の土地の場合、以前は主に自家使用目的ビルとして多くの需要があり、それなりの評価でしたが、現在は実勢価格の方が低いことさえあります。
逆に、狭い路地に接した土地は、中野区のようにセットバックが急ピッチで進んでいて、路線価が実勢価格より異常に低いこともあります。
ディベロッパーの動きが活発になれば、道路幅員が容積率・高度斜線に連動(下記参照)していることから、将来への期待感も含めて変わってくると思いますが、取引事例法は、世相の早い変化への対応が難しくなってきているところもあります。
有効容積制限=接面道路幅員×商業系0.6   住居系0.4
道路斜線規制=接面道路幅員×商業系1:1.5  住居系1:1.25 幅員12m以上除外

税に関しては、もう一つ、一筆毎に市町村の台帳に登録されている固定資産税評価額があります。地方税最大の安定財源の算定基準となっているものです。
これは、私たちの事業収支では必ず連動します。
登録免許税の算定基準は登記費用に
不動産取得税の算定基準は取得費用に
固定資産税・都市計画税の算定基準は維持経費に
固定資産税・都市計画税…………地方税収の約50%
平成11年(ピーク時)   10.62兆円
平成22年         10.12兆円
この他、印紙税、譲渡所得税等は、不動産取引活性化により消費税とは関係なく税収増に繋がります。
特に不動産譲渡所得は、土地が上昇すれば譲渡益下落すれば損金となります。


登録免許税収(国税)税)平成 元年  10,103億円
不動産取得税収(地方税)平成12年   5,949億円
不動産取得税収(地方税)平成 4年   6,695億円
不動産取得税収(地方税)平成23年   3,330億円
印紙税収(国税)地方税)平成 9年   16,811億円
不動産取得税収(地方税)平成23年   10,240億円
土地譲渡所得税に関しては、バブル発生以降損益通算内容等、税制が何度も改正されてきたこともあり、ピーク時にどれほどの額であったかは、滞納額を含め実態は分かりません。「現在は、ピーク時の10分の1以下ではないか。」と分析する人は少ないようです。

不動産取引活性化
は、財政再建と多くの国民の将来不安解消に貢献すると考えています。

平成24年7月8日 銀河バンクより