銀河バンク

都心ワンルームの現状と見通し
平成28年11月29日

世界情勢が不安定続きで、国内経済の明るさが見えてこないようです。
そんな中でも、「日本は安定期に入って来た」と見られる方が増えてきているようで、私たちと お取引して下さった方々からは、前向きなご質問が多くなってきました。
共通しているご質問は、ワンルームアパート経営に関する“今後の見通し”です。

この度、“銀河バンク”(当社コラム)でお伝えしてきました、バブル後の都心木造 2 階建アパートの環境変化と私たちの対応に、「現状と見通し」を加えてまとめてみました。
お役に立てるところがありましたら参考にして下さい。

■プロジェクトに当たって、私たちは、出口の調査から始めます。
最初に注視する事は、入居の対象となる若い世代の動きです。
方向を決める基本になるため、その調査には出来るだけ多くの時間を掛けます。
この点で、新宿を中心に今も確実に若い人の数が増えています。
しかし、金銭的にはあまり余裕がないこともあり、遅い時間は少しづつ静かになっています。
■若い世代の都心志向が進行していることから、人気のある地域の小型ワンルームは益々不足し、
賃料の地域差は更に拡大すると考えています。
■土地は、一年先の価格を判断の基準にして仕入ています。
買い手競争相手が強気度を増していることに加え、エンドユーザー需要の決断が早くなってき ていますから、
私たちが提示する「買付証」は空振りが多くなってきました。
■都心に木造アパートを新築するに当たって、最も大切なこと“近隣のご理解”です。
その上で、東京都安全条例、区毎のワンルーム規制、地域協定、耐震・不燃強化等を遵守して
小規模アパートを造ることは極めて難しく、同業他社は殆ど造らなくなりました。
建物の安全は、100%以上が当たり前でなければいけません。
私たちが造る建物は、机上の計算だけでなく“日本の匠”の経験からも学んでいます。
「50 年以上安全な建物」と認めていただけるため、主要構造材に国産ヒノキを使用する等、
仕 様ランクを少しづつ進化させています。
アパートの需要に関しては、バブルの後遺症がまだ続いているとみています。
「都心の地価上昇」の現実に注目されている方がまだ限定的だからです。
■資産としては、次のステップであるキャピタルゲインへの踊り場にあると考えています。
■資源としては、入居者が安定し、供給過多の心配もない今は、リスクの小さい投資期といえるのではないでしょうか。
10〜15 年前に取得したものを買換えるのも一案です。

※集計・シミュレーション等「都心最前線」及び、「物件の特色」の一部を更新しました。

“木の都東京”の幕が開かれる?
平成28年10月27日

国内でアパートが新築販売されているのは、年40万戸ほどで、そのほぼ半分は全国展開されている大手11社さんが事業主のようです。
都市では再開発が進められ「安全な街造りへの整備」「道路拡幅」「緑地を増やす」等付加価値を 高めながら、高層化で住宅戸数を増やしています。
少子化が進行しているため、地域によっては供給過剰になっているとの見方もあるようです。

一方、アパートのストックは2,000万戸ほどあるとみられていますが、40%程は、30年以上前に、旧耐震基準で建てられたものです。
当時建てられたものは、安全面で問題のある建物が多く、解体されたり、虫食い空き家のまま放置されています。
東京都心部の場合、不燃化・耐震強化指導もあり、私たちが買っている土地の半分くらいは、賃貸アパートが撤去された跡地です。(専用住宅は、建替えられる方が多い)
再開発が進められている商業系とその周辺地域でも、解体されるのは、賃貸されていた建物が多いようです。
古い低賃料アパートに替わる宿泊施設として民泊、シェアハウスの需要が増えているようですが、難しい問題が報道されています。
都心では、若年者向けの安全で低賃料のアパートは不足すると考えられます。

東京都心部は、2020年のオリンピック・パラリンピック需要の期待を含め、土地の価格が果実に 応じて上昇し続けています。
20年以上慢性的に下落し続けた地価が、地域差があるとはいえ、3年以上継続的に上昇していることで、不動産を長期保有資産と考えられておられる方々のなかには、「地価下落の心配から解放された」と判断され、次の投資に向かわれている方も出てきました。
加えて、“老後の生活”の備えとして、低額物件への新規投資が、区分所有や信託商品を含め様々な形で本格化し始めています。
反面、安全とみられる地域の地価上昇により、新築販売物件の利回りは下がり続けています。
しかし、収益不動産を所有するには、2.5〜3%程度の維持経費が必要です。
表面利回りが 4%以下になければ、借入による不動産への投資は限定的になるでしょう。

維持経費(税+管理費+空室リスク代+メンテナンス費)
税 =固定資産税+都市計画税
管 理 費 =日常清掃代+共用電気・水道代+入退室管理費
空室リスク代=当社管理物件を参考
メンテナンス費=平時の点検・保守+設備交換・リフォーム代
買い替えを含め、長期固定低金利で対応して下さる金融機関がある今は、表面利回り5%以上の 新築物件は、買い時といえるかもしれません。

賃貸料と稼働率地域差が更に大きくなるため、長期実質利回り予測を重視し、
建物の安全度と地域選択は極めて大切です。
 売却時の経費、原状回復コストも取得時に確認しておかなければならない重要事項です。

私たちは、3年前から、「木造建築が東京都心に普及することは、日本の林業活性化・地方再生」に繋がることを伝え続けています。
新国立競技場がきっかけで、最近は、CLT(直行水平板)による木造高層化が報道されるよう になりました。
木造建築安全への進化は「クリーンリサイクル資源として地球環境問題解決に貢献する」ことを、“木の文化日本”から世界に発信したいものです。
私たちは、国産ヒノキを使い“アパートローン 50年”への進化を続けてまいります。
私たちは、世界から”木の都東京”と言っていただける日の夢を見ています。

※工事中のものは、常時15〜20現場ありますのでご覧になれます。

都心の一等地が過剰になる事はありません
平成28年10月5日

9月20日国交省から、2016年7月1日現在の基準地価が発表されました。
基準地価は、比較的実勢価格に近いことから、新聞等で、地価の動向・予測も同時に報道されているようです。しかし、その見方は様々です。
特に、東京に対しては、2020年以降の見方が分かれています。
私たちは、今後の地価は、長期間安定した果実が得られるかどうかによって、地域格差が拡大すると考えています。
東京でも、恒久的なインフラの整備が急ピッチで進められ、耐震高層ビルが次々に建てられている地域では、販売されている物件は、価格の設定を間違えなければ引き続き好調が続くと思います。
特に需要の多い都心部では、ハウスメーカーの戸建て用地確保の苦戦が続きます。
しかし、耐震マンションへの買い替え需要はこれからも続くとはいえ、土地が取得し易い郊外マンションは、過剰になる可能性はあるのではないでしょうか。
いずれにしても、都心の一等地には、過剰になるほど売り地はありませんし、資源として利用されていない土地も限定的です。
ここ一年の不動産需要には、キャピタルゲイン目的で短期所有を考えておられる方もあるようですが、いつでもどこでもあることで、その割合は極僅かです。

長期金利の動向によっては、不動産投資加熱によるバブル崩壊の再燃という見方があるようですが、状況の分析が大切ではないでしょうか。
〈参考〉バブル崩壊末期市場(平成2年後半〜3年始)
以下は、中野区周辺のワンルームアパートについて、
当時の関係者への聴き取りによるものです。(一部は推定)

  • 土地価格…現在のほぼ2倍
  • 建物代…1室(8m2〜18m2)600万円〜1500万円、木造、鉄骨、RC造 無完了検査、旧耐震・不燃基準
  • 賃料…6万円〜20万円、稼働率…0〜70%
  • 管理…職人不足もあり杜撰なケースが多くあったが、あまりトラブルにならない
  • 売買価格…1室(新築)1,500〜5,000万円
  • 表面利回り…1.5%〜3%
  • 事業資金(土地代、建築代)…融資100%+α、金利8〜14%(2、3番抵当可)
  • 借入先…信金、信組、地銀、都市銀、ノンバンク
  • 事業・工事期間…3ヶ月〜実質期限無
  • 地価上昇率…年20〜30%

    ※不動産長期継続所有の原則(維持費+借入返済 < 果実)無視

個人が不動産を取得する資金は、無償で受ける場合を除き、貯蓄か借入、又は合わせたものです。
長期的には、表面利回り4〜5%程度しか期待出来ない中で、借り入れて投資物件を取得される場合は、返済期間にもよりますが、2%台の金利に対応出来る頭金での取得を提案します。
又、売却や建て替え時の早い対応のため、所有形態、相続時の分割方法も考えておくことが大切だと思います。

私たちは、今、不動産を取得されている方々は、”安心への投資”と考えられておられる部分が多く、健全な状態と考えています。